最近、神戸の港を散歩することが多い。昔と比べると、港の風景はずいぶん変わった。きれいに整備された遊歩道があって、海を眺めながら気持ちよく歩ける場所が増えている。そもそも、港を散歩できるというのは、それだけで贅沢なことだと思う。広い空があって、海があって、船が行き交う。神戸の港は景色がいいし、何より歩いていて気持ちがいい。そんな神戸港に、またひとつ、散歩の目的地ができた。
港の先端に現れた、不思議な丘。
神戸の新港突堤にオープンした、TOTTEI PARK(トッテイパーク)。その先端に、ちょっと変わった建物がある。「緑の丘」だ。名前のとおり、緑に覆われた大きな丘。ところが、よく見ると普通の丘ではない。芝生に覆われた、階段状の建築物なのだ。建物でありながら、丘でもある。そして、この丘には登ることができる。それだけでも、散歩の目的地として十分ではないだろうか。
建築物の屋根を、散歩する。
面白いのは、建物そのものが展望スペースになっていること。地面からそのまま斜面を登り、階段状の屋根を歩いて上へ向かう。屋根の上を歩くという体験は、なかなか珍しい。しかも、その屋根が緑に覆われているのだから、ますます面白い。階段は思ったより急で、少し怖い。けれど、この奇抜な構造には、どこか子供心をくすぐられるものがある。建築物というのは、眺めるだけでなく、登って楽しむこともできるのだ。
振り返れば、船のいる風景。
上へ登ると、神戸港の景色が広がる。海を眺めるのもいいけれど、後ろを振り返ってみるのもいい。高松行きのフェリーが停泊していたり、帆船「日本丸」が姿を見せていたり。港には、船がいる。当たり前のことだけれど、これがなかなかいい。船を眺めながら、ぼんやり過ごす。港町ならではの時間だ。
やっぱり、緑があるっていい。
それにしても、この建物が緑に覆われているというのがいい。もしこれが、ただのコンクリートの階段だったら、ずいぶん印象が違っていただろう。緑の丘があるだけで、港の風景が少しやわらかくなる。人工的な建築物なのに、どこか自然の丘のようでもある。その不思議な存在感が、この場所を特別なものにしている。海を見に行く。船を眺める。緑の丘に登ってみる。何か特別なことをするわけではない。ただ、港を散歩する。そんな休日のために、神戸にはまたひとつ、いい場所が増えた。

