賛否両論。古代の都のあとに庭つき飲食施設「なノにわ」オープン。

賛否両論。古代の都のあとに庭つき飲食施設「なノにわ」オープン。

1300年前の都が、現代の庭に。

大阪・谷町四丁目。オフィスビルと幹線道路が交差する都心に、驚くほど大きな空が残されている。難波宮跡公園。その北側に誕生したのが〈なノにわ〉だ。芝生の広場とカフェやレストランが誕生した。一見すると、近年増えている都市型のパークなのだが、この場所には少し特別な時間が流れている。ここは、かつて日本の中心だった。

都市の下に、古代がある。

7世紀から8世紀にかけて、この地には難波宮が置かれた。現在の大阪城よりも、さらに古い時代の大阪だ。芝生を歩いていると、内裏正殿跡を示す場所に出会う。いまは子どもが走り、誰かがコーヒーを飲み、レストランでのんびり過ごしている。しかし1300年以上前、この場所には宮殿があった。伝統的な都市の面白さは、過去が消えてしまうことではなく、ときどき現在の風景の中から顔を出すことにある。〈なノにわ〉では、その時間の層を感じることができる。

遺跡を「保存する」だけではなく。

興味深いのは、難波宮跡が遺跡として囲われていないことだ。広い芝生があり、そのすぐそばには飲食店がある。食事をする。コーヒーを買う。芝生で過ごす。その日常の中に、古代の遺構が存在している。歴史をガラスケースの中に閉じ込めるのではなく、現代の都市生活の中へ戻していく。この場所の面白さは、そんなところにあるのかもしれない。

高速道路が地上を走る理由。

公園の脇を見ると、もうひとつ不思議な風景がある。阪神高速だ。都市高速といえば高架を思い浮かべるが、この付近では地上を走っている。これにも難波宮跡が関係している。遺跡や景観への影響を抑えるため、高架ではなく地上を通る構造が選ばれた。高速道路という現代都市のインフラと、1300年以上前の都。一見すると正反対の存在が、ひとつの風景の中で折り合いをつけている。ここを歩くなら、芝生だけでなく道路にも注目してみたい。

大阪には、時間の余白がある。

大阪という街は、案外古いものが残されている。古代の宮殿跡や中世の城の向こうにビルが建ち、横を高速道路が走り、その手前には都市型の公園が広がる。谷町四丁目駅から歩いてすぐ。歴史を勉強するためだけに訪れる必要はない。そして少しだけ、この場所に積み重なった時間について考えてみる。1300年前の都は、いま、大阪の庭になっている。

Infomation

なノにわ

アクセス:大阪メトロ谷町4丁目駅徒歩1分

開園時間:公園部分は24時間、商業施設部分は店舗による

Map

Video

Leave a Comment

Comments

No comments yet. Why don’t you start the discussion?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です